専門チームと病棟をつなぐ役割を担う
リンクナースとは
リンクナースはイギリスで確立された新しい看護師の在り方です。医療機関内の専門チームと病棟の看護師をつなぐ橋渡し役として重要な役割を担います。患者に質の高い看護を提供するために、感染管理や褥瘡管理などの情報を病棟の看護師に伝えます。医療現場でリンクナースが上手く機能することで、提供される医療のレベルが底上げされると同時に、患者にとっても安心感を持って治療を受けられる環境となります。
どのような役割を担うのか
専門チームや委員会から得られる最新知識や技術を、所属する病棟に伝え浸透させます。医療機関には退院調整や感染管理、褥瘡管理などの専門チームが設置されていますが、これらの専門チームに所属するメンバーだけでは病棟に情報を周知することはできません。そこでリンクナースが間に立ち、現場で働く看護師たちに対して情報を共有していきます。現場で問題が生じた際に、その内容を専門チームに伝える役割も担います。
どのような活動をするのか
リンクナース会や委員会に参加するだけでなく、病棟にいる看護師の教育やサーベイランス、評価、問題点のピックアップなどを行います。こういった活動を通じ、病棟全体のレベルを上げると共に、患者に対して適切な看護が提供できる環境を整えます。また、病棟で発生した問題を専門チームに報告することで、問題解決に向けた取り組みを行います。
リンクナース会や委員会は月1～2回の頻度で開かれます。そこで新たな情報を学ぶと共に、病棟での問題点を専門チームに報告します。看護師だけでなく、専門知識を有したスタッフと一緒に解決策を探ることができます。その場で得た情報を現場に持ち帰り、病棟内で勉強会を開催し、実践することでスタッフを教育します。
また、感染サーベイランスや褥瘡の発生件数を確認し、それらの数字から問題点を洗い出した上でリンクナース会や委員会に報告し、解決策を探ると同時に病棟全体にも共有することで医療機関全体のレベルアップにつながります。
リンクナースの目標
リンクナースの大まかな目標は「病棟にいるスタッフのレベルアップ」「より質の高い看護の提供」です。具体的な目標は専門とする分野や病棟の種類によって違います。具体例を挙げるとすれば、「病棟内の針刺し事故0件」「手洗いの実態調査と適切な手洗い方法の指導」「SSIサーベイランスの定着化」「日常業務内での適切な感染予防策の実施」などです。こういった目標を立てた上で年間を通した行動計画を作成し、現場の医療レベルを底上げします。
