どのような種類があるのか
リンクナースの役割は多岐に渡る
リンクナースは専門チームと病棟の看護師をつなぐ存在です。具体的な人数は病院の規模によって異なりますが、病棟ごとに1名~複数名のリンクナースが配置されています。加えて、他職種と看護師をつなぐ役割も担います。感染管理や褥瘡管理など、日常的に対策が求められる分野に関しては、対策を徹底するために継続的な教育・指導が必要です。そのため、それらの分野におけるリンクナースになった際にはスタッフへの指導や周知をより重点的に行わなければなりません。また、患者とその家族への支援を目的に、本人たちが抱える不安や問題点を早期に発見し、専門チームに報告する役割も担います。家族支援や社会復帰リハビリなどを推進し、安心して日常生活を送れるようにサポートします。
リンクナースは部署ごとに配置されており、それによって具体的な仕事内容が決まります。以下に、リンクナースの区分や種類の具体例を紹介しますので参考にしてください。
退院調整・緩和ケア
患者とその家族の支援を目的とするのが「退院調整リンクナース」「緩和ケアリンクナース」です。退院支援に関するスクリーニングを徹底し、支援対象者を把握した上で支援を必要とする患者への介入依頼をします。それと同時に、退院調整に関する部署のスタッフへ指導を行います。加えて、緩和ケアの実施状況を把握し、患者の悩みや抱えている負担を調査した上で必要な支援の内容を考慮し、実施します。
感染管理
感染症対策に携わる存在として、近年特に注目を集めているのが「感染管理リンクナース」です。関連部署へのサーベイランス報告や感染対策の周知・徹底を促します。それと同時に感染管理に携わるスタッフの指導を行い、感染症の発生リスクを最小限に抑えます。
褥瘡管理
褥瘡リスクを早期発見し、対策を講じるのが「褥瘡管理リンクナース」です。問題点を発見した際には対策チームに介入依頼を出します。それと同時に、褥瘡管理に関するスタッフの指導を行います。入院患者の中には寝たきりの人も多いので、そのような患者が多くみられる病棟においては非常に重要な役割を担います。
その他の支持療法
口腔ケアに関するスクリーニングや支援対象者の把握を行い、チームの連携を促すのが「口腔ケアリンクナース」です。栄養管理に関するスタッフの指導やNSTラウンドへの参加を行う看護師は「NSTリンクナース」と呼ばれます。AYA世代または未成年の子どもを抱えた患者の家族を支援し、それに携わるスタッフの指導を行うのが「AYAこどもサポートリンクナース」です。また、皮膚障害の予防や早期的介入を目的とした「スキンケアリンクナース」などもあります。